ビューティーアドバイザーやエステティシャンから『若い頃からスキンケアをしてると同窓会で10才は若く見られます!』と聞いた経験がある方もいらっしゃると思いますが、結論から言うとこれは事実です。
私も美容業界に入ってから20数年が立ちましたが、昔からちゃんとスキンケアし続けている方は肌が若いというのは先輩の実体験として聞いていましたし、今では自分自身の経験として知っています。
それは科学的に証明されたものではなかったのですが、少し前に開催された「IFSCCミュンヘン大会2018」で最優秀賞を受賞した「細胞の老化は伝播する」という内容の研究が発表された事で、今では確信になりました。
この研究を簡単に説明すると、細胞レベルで老化を観察すると、老化した細胞が「他の細胞を老化させる因子」を出し始め、若い細胞まで老化してしまう事が判明したというものです。
つまり、年齢を重ねると共に新陳代謝(ターンオーバー)が遅くなり、老化した細胞が若い細胞を老化させ老化スパイラルが始まります。スキンケアをせずに自然に任せるままにしておくと老化がどんどん加速してしまうと言うということです。
「本当に10年後に違いなんて出るの?」と疑っていた方も多いと思いますが、この研究により、若い頃からスキンケアをしてると同窓会で10才は若く見られるというのは、単なるセールストークでは無く、美容関係者の経験則と科学的根拠に基づいた「事実」となったのです。
もちろん、20才の方が10才に見える訳ではないですが……
30才の方が25才に、40才の方が30才に、60才の方が40代にしか見えない!と言うことは良くあります。
詳しい論文や情報はネットで検索すると出来ますので、美容関係者は調べてみると良いかもしれません。
老化サイクルに入らない為の「肌を酸化させない」&「肌を育てる」スキンケア
前述の研究で「細胞の老化は伝播する」事が判明したとお伝えいたしましたが、もう一つ重要な内容が含まれていました。それは、真皮で生まれる幹細胞が老化の伝播を防げる可能性があるという内容です。
端的に言うと、新しい細胞がどんどん生まれている近くでは細胞が老化の進行が遅いという事。今後更に研究が進めば、将来的には若返りも可能になるかもしれませんね。
一昔前のスキンケアは「肌を清潔にし潤いを保つ」事だけを注視していましたが、今回ご紹介した研究内容から考えると、これからのスキンケアで最も注目されるのは、肌を酸化させず肌細胞を育てる事になるでしょう。
だからと言って、これまでのスキンケアを蔑ろにしても良いかというとそれも間違いです。
安全な成分を使い、肌を清潔に乾燥しないように水分を保ち、その上で、細胞を壊す「酸化」から肌を守り、肌細胞を育成するサポートをする……
気をつけないといけない点は増えましたが、ぜひ時代を先取りして、皮膚細胞の増殖を促進するサイトカインや酸化を防止し還元するSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)成分を毎日のスキンケアに取り入れて見て下さい。